ホーム › コラム › 東南アジア5カ国で卓球相手を探してみた体験記

東南アジア5カ国で卓球相手を探してみた体験記

「海外旅行にラケットを持っていく人なんて、そうそういないだろう」。 出発前、友人にそう言われました。確かにその通りかもしれません。でも、僕はスーツケースの隅にマイラケットを忍ばせて、東南アジア5カ国を巡る旅に出ました。

きっかけは単純でした。日本で週3回ほど卓球をしている自分にとって、3週間もラケットを握らないのは考えられなかったのです。それなら、旅先で現地の人と打てばいい。言葉が通じなくても、卓球台を挟めばなんとかなるだろう。そんな楽観的な気持ちで旅が始まりました。

この記事は、カンボジア、ベトナム、タイ、マレーシア、フィリピンの5カ国を約3週間かけて周遊し、各地で卓球相手を探した体験の総まとめです。各国の詳細な体験談は個別の記事にまとめていますので、気になる国があればそちらもぜひご覧ください。

旅のルートと基本方針

今回の旅程は、プノンペン(カンボジア)からスタートし、ホーチミン(ベトナム)、バンコク(タイ)、クアラルンプール(マレーシア)、マニラ(フィリピン)と、おおよそ西から東へ移動するルートでした。各都市に3〜5日ずつ滞在し、観光の合間に卓球相手を探すというスタイルです。

事前にいくつかのルールを決めていました。

結果的に、この3つ目のルールが杞憂に終わるほど、各地で素晴らしい出会いがありました。

試した方法とその成果

5カ国を通じて、卓球相手を見つけるために試した方法は大きく分けて以下の5つです。

Facebookグループへの投稿

東南アジアではFacebookの利用率が非常に高く、各国に卓球関連のグループが存在します。「Table Tennis [都市名]」で検索すると、ほぼ必ずアクティブなグループが見つかりました。出発の1週間ほど前に「日本から旅行で行くので、一緒に打ってくれる人はいませんか?」と英語で投稿すると、多くの場合すぐに返信がありました。

特に反応が良かったのはフィリピンとマレーシアです。フィリピンでは英語が公用語であることもあり、投稿から数時間以内に複数の返信がつきました。一方、カンボジアではグループ自体の規模が小さく、反応はやや鈍かった印象です。

InstagramのDM

ハッシュタグで「#tabletennis[都市名]」と検索し、投稿が活発なアカウントに直接メッセージを送る方法も試しました。クラブや練習場の公式アカウントが見つかることもあり、営業時間や料金を事前に確認できたのは便利でした。ただし、返信率はFacebookに比べると低めでした。

ホテルスタッフへの相談

意外と有効だったのが、宿泊先のスタッフに「この近くで卓球ができる場所を知りませんか?」と尋ねる方法です。ホテルのコンシェルジュはもちろん、ゲストハウスの若いスタッフが地元のスポーツ施設を教えてくれることもありました。タイのバンコクでは、ホテルスタッフが自分の通っているジムを紹介してくれたことがきっかけで、素晴らしい練習環境に出会えました。

現地の掲示板・張り紙

スポーツ用品店やショッピングモール内のスポーツ施設に、練習会の案内や参加者募集の張り紙が貼ってあることがあります。ベトナムのホーチミンでは、卓球ショップの壁にクラブ練習のスケジュールが貼り出されており、それを頼りにクラブを訪問しました。ただし、この方法は現地語が読めないとかなり難しいです。

とにかく行ってみる(飛び込み)

Google Mapsで「table tennis」と検索し、評価の高い施設にアポなしで行く方法も何度か試しました。成功率は五分五分でしたが、うまくいった時の達成感は格別です。カンボジアのプノンペンでは、この飛び込みがきっかけで忘れられない出会いがありました。

方法別の成功率(5カ国通じての個人的な実感)
  • Facebookグループ:成功率 高。事前準備に最適
  • Instagram DM:成功率 中。クラブの情報収集には有効
  • ホテルスタッフ相談:成功率 中〜高。思わぬ情報が得られることも
  • 現地掲示板:成功率 低。言語の壁が大きい
  • 飛び込み訪問:成功率 中。勇気は必要だが出会いの質は高い

5カ国それぞれの体験ダイジェスト

カンボジア(プノンペン):言葉が通じなくても打てる

最初の目的地、プノンペンでは情報がほとんど見つからず、正直不安なスタートでした。Facebookグループはあったものの投稿は少なく、Instagramでもヒットするアカウントはわずか。結局、Google Mapsで見つけた体育館に飛び込みで行くことにしました。

そこで出会ったのが、たまたま同じ時期にカンボジアを旅行していた中国人の男性でした。お互い英語はカタコトで、クメール語は当然話せません。でも、ラケットを持って台の前に立てば、それだけで会話は成立しました。身振り手振りで「もう1ゲームやろう」と伝え合いながら、気づけば2時間近く打ち続けていました。

カンボジア編の詳細はこちら →

ベトナム(ホーチミン):活気あるクラブシーンに驚く

ホーチミンに到着して驚いたのは、街中に卓球クラブが点在していることでした。日本のように公共施設の中にひっそりと卓球台があるのではなく、卓球専用の練習場がビルの一角に入っているのです。事前にFacebookで連絡を取っていたクラブを訪れると、平日の夜にもかかわらず20人以上のプレーヤーが集まっていました。

レベルも幅広く、趣味で楽しんでいる人から元選手まで様々。ベトナムの卓球人口の多さと、クラブ文化の活発さを肌で感じた滞在でした。

ベトナム編の詳細はこちら →

タイ(バンコク):ジムの設備レベルに感動

バンコクでは、ホテルスタッフの紹介で訪れたジムの設備に驚きました。最新の卓球台が10台以上並び、床材も本格的なスポーツフロア。照明も卓球に適した配置で、日本の一般的な体育館よりも環境が整っている印象を受けました。

タイは近年、卓球の強化に力を入れている国のひとつで、民間のジムにもその影響が表れているようです。常連のプレーヤーたちは気さくで、外国人の飛び入り参加にも慣れている様子でした。

タイ編の詳細はこちら →

マレーシア(クアラルンプール):地元クラブの週一練習会に混ざる

マレーシアでは、Facebookで見つけたクラブの週一回の練習会に参加させてもらいました。主催者に事前にメッセージを送ると「大歓迎ですよ!」と温かい返信があり、当日は他のメンバーにも紹介してもらえました。

マレーシアは多民族国家ということもあり、クラブのメンバーもマレー系、中華系、インド系と多様。英語が共通語として機能しているため、コミュニケーションもスムーズでした。練習後にはみんなでホーカーセンター(屋台街)に行き、食事をしながら卓球談義に花を咲かせました。

マレーシア編の詳細はこちら →

フィリピン(マニラ):SNSが最強のツール

最後の目的地マニラでは、SNSの力を最大限に活用しました。Facebookグループに投稿したところ、大学の卓球部の学生たちから連絡があり、キャンパス内の練習に参加させてもらえることに。フィリピンの若い選手たちはエネルギーに満ちていて、次から次へと対戦相手が現れました。

フィリピンでは英語でのやり取りが問題なくできるため、事前の連絡から当日の交流まで、言語面でのストレスはほぼゼロでした。SNSのフォロワー同士でつながる文化が根づいており、一度つながると芋づる式に紹介が広がっていくのが印象的でした。

フィリピン編の詳細はこちら →

5カ国を巡って感じたこと

卓球は本当に「世界共通言語」だった

旅を終えて最も強く感じたのは、卓球台を挟めば言葉の壁は驚くほど低くなるということです。カンボジアで出会った中国人の方とは、共通の言語がほとんどありませんでした。それでも、サーブの合図、ポイントの確認、「ナイスボール!」の身振り。それだけで2時間の対戦が成立するのです。

スポーツには国境を越える力があるとよく言われますが、卓球は特にそれを実感しやすい競技ではないでしょうか。ラケット1本とボール1個、そして台が1台あれば、世界中どこでも誰とでもすぐに始められる。その手軽さが、旅先での出会いを後押ししてくれました。

情報が散在しているという課題

一方で、大きな課題も感じました。それは、卓球相手やプレー場所の情報が極めて散在しているということです。ある国ではFacebookが主流、別の国ではInstagram、また別の場所ではLINEやWeChatが使われている。クラブの情報はローカル言語の掲示板にしかなく、外国人がアクセスするのは非常に難しい。

今回の旅では、1カ国あたり相手を見つけるまでに平均2〜3日かかりました。事前準備を含めると、かなりの時間と労力を費やしています。「もっと簡単に、もっとスムーズに、世界中の卓球プレーヤーとつながれたら」。旅を通じて、その思いが日に日に強くなっていきました。

プラットフォームの必要性

5カ国を巡って実感したのは、国や言語を超えて卓球相手を探せるプラットフォームの必要性です。Facebookグループは便利ですが、投稿が流れてしまえば埋もれてしまいます。Instagramは視覚的に施設を確認できますが、相手探しには向いていません。どのツールも「卓球相手を探す」という目的に特化していないのです。

必要なのは、場所・レベル・日時で絞り込んで、その地域で打ちたい人をすぐに見つけられる仕組み。そして、言語の壁を感じずにやり取りできるインターフェース。今回の旅で出会った人たちも、口を揃えて「そういうサービスがあれば使いたい」と言っていました。

旅を通じて得た3つの気づき
  • 卓球は言語や文化の壁を越えてつながれる最強のツールである
  • 東南アジアの卓球人口は想像以上に多く、受け入れも温かい
  • 情報の分散が最大の障壁。一元化されたプラットフォームがあれば、もっと多くの人が国境を越えた卓球交流を楽しめる

おわりに:Sports Connectが目指す世界

この旅の経験は、Sports Connectというサービスの方向性を改めて確信させてくれるものでした。日本国内だけでなく、海外を含めた卓球のマッチングを、もっと手軽に、もっとスムーズに実現すること。それが私たちの目指す世界です。

現在、Sports Connectでは国内の練習相手募集や練習会の情報を中心にサービスを提供していますが、将来的には海外のプレーヤーともつながれる機能を拡充していく予定です。今回の旅で出会ったプレーヤーたちとも、いつかこのプラットフォーム上で再会できたら。そんな未来を思い描きながら、開発を進めています。

ラケット1本で世界とつながる。そんな体験を、もっと多くの人に届けたいと思っています。

旅にラケットを持っていくかどうか迷ったら、答えは「持っていけ」です。きっと、予想もしなかった出会いが待っています。

海外で卓球をする際は、施設のルールや利用料金を事前に確認しましょう。国や施設によって、靴の規定や利用可能時間が異なります。また、貴重品の管理にも十分注意してください。

← TOPへ